TIME TRIP ADVENTURE SPECIAL INTERVEW

『TIME TRIP ADVENTURE』発売記念-NAOKI SHIMADA SPECIAL INTERVEW!




――8年ぶりにPSYCHO CANDIEとしてレコーディングしてみての感想から聞かせてください。

●そうだね、単純に嬉しいよ。すごくHAPPYな気持ち。自分が作った楽曲が ちゃんと皿になる、盤になるっていう事は単純に嬉しいよね。それと同時に、最近作った曲も全部混ぜてひっくるめて、作った作品を聴いてみるとね、楽曲を創った年数で言えば、遥か昔の曲もある訳だけど、やっぱり自分が作った作品だからテーマ性みたいなのはある訳ね。それを、一枚にまとめられたのはすごく胸が躍るよね。だから実際にCDの原盤が出来た時もすごく嬉しかった。あと…古くないというか、さもするとダサいかもしれないけど、あえてやっている俺ってカッコイイみたいな気もするよね(笑)。過去には大人の事情とか様々な状況で、レコーディングのプランがなくなったりとかもあったけど、その頃にはできなかったものが、現在の自分には力があるから出来たり、テクノロジーがあるからこういう音が出せたりという部分もあるじゃん?それを見据えたら今回2009年にリリースする形は、決して遅くなかったかな?という気がしてるよね。

――機が熟した、来るべく時がきて、と言った感じですかね?

●うん。そうそう、そうだね!

――今回のアルバムはPSYCHO CANDIEの全キャリアの中からの選曲だった訳で、バンドの名詞的なアルバムになったのかな?という感じがしているんですけれど、「こんなアルバムにしたい」というテーマ的なものはあったんですか?

●『幻想とノスタルジア』の時はプロデューサーも居たので、明確なテーマというのがあったんだよね。当時はあれもこれもという発想はちょっと蓋をしていて、きらびやかな一面やバラードな一面もあったんだけど、グラムっぽいキラキラした部分は、『幻想とノスタルジア』の時にはあまり出してなかったんだよね。反対に、今回の『TIME TRIP ADVENTURE』を製作するに当たってのテーマ性というのは、ぶっちゃけあまりなくて。まず、日の目を見ていない楽曲たちの目を覚まさないといけないので、その辺のリハビリテーション(笑)? 業界でいう所の“プリプロダクション”(※制作の準備段階のこと)だけど(笑)。リハビリテーションしつつ、今後に…ってこれは跡付けかもしれないけどね。って事でそれぞれの曲の時代背景も違うし、最初からのコンセプトはないんだよね。

――今回、収録曲以外にもカヴァーを含めて沢山の曲を録ったという話ですが、選曲はどうやって決めました?

●今は、昔のようにA面5曲、B面5曲みたいなアナログ的発想って、時代の流れで出来ないじゃない?CDという音楽メディアになってしまっているから、一回かけたら、十何曲流れてしまって裏返すタイミングもない。ならばどの位のボリューム感がいいかな?って一回自分でジャッジしたの。欲張って全部入れようかとも思ったんだけど…。濃くて、お腹いっぱいすぎちゃうのよね。

――(笑)。

●その中で、今は必要ない、逆に録音してみてトータルのコンセプチュアルな部分が見えてきたというかさ。で、“必然的になくてはいけない楽曲13曲”が集まったっていう感じかな。他にも録音したアイテムはあるし、カヴァーも4曲位トライしたからそれもあるんだけど、まぁ、それはゆくゆくどんな形でも出せるからさ。

――PSYCHO CANDIEの曲作りの仕方や練り上げていく過程はどういった感じですか?

●基本的には現場監督は俺だよね。あとは、引き出しにある音をいかに具現化していくかのジャッジメントでは、作者の思うままに一番裸のままでサウンドメイクを始めて、テンポ感もトライしてみて、その中で「何かが足りない」、「それが何か?」という時にメンバーからいろんなアイディアが出たら、ワントライはするけどね。でもそれを全部楽曲に詰め込めない訳で。俺は、最近どのプロジェクトでもそうなんだけれど。「俺はこう思った」「ここの展開はいらない。」とか、「流してやってみたらちょっと真っ直ぐすぎてひねりがない。」そういうのを足したり引いたりとかだね。極めて優秀なミュージシャンが集まっているからさ、ギターのリフを、弾かずに口で言って拾ってもらったり、そういう当てはめ方をするかな?なんでも時間が許す限り一回はトライして、それを録音してプレイバックしてみる。その中で見えてくるものが、答えかなと。だから毎回何度も変わるよ。

――大まかな所は曲を作った人が提供していて、そこにみんなが意見を出してくる形で、最終どこに落ち着くかは何回もやってみて、みんなでどれがいいのかを決めるという形なんですね。

●そうだね。でも、始めとぜんぜん違う形になるケースが多いけどね。

――(笑)。そうなんですかぁ。

●ま、でもいい方に変わればいい訳でね。

――レコーディングスタジオはどこで?

●津谷とマギーと、大助もギターダビングまでベーシックは、La.mama。俺のギターの一部もLa.mama。歌全部とコーラス12st.ギター、取り残したエレキの方のギターとTDまではoverwork studioで。通称、“ルルスタ”ね(笑)。

――(笑)。Naoさんのmixi日記に登場のめっちゃ可愛いアイドル犬の居るスタジオですね。

――今回、過去の曲を掘り出している訳ですけど、ずっと演っていなかった曲をどんな風にして掘り出したのですか?特にダイさんは当時演奏してた訳ではないので、どういう風にしていたのかなと。

●古いビデオ(笑)。ビデオをデータにしたのをCDに焼いたり、ビデオをそのまま渡したり、あと細かなコード進行とかテンションはビデオでは分からなかったりするじゃない?なので、プレイはほぼテーマだけを取ってもらって、後は任せて。ただ、俺と津谷の書く曲は“絶対的な所”があるものもあるから、そういう所は、「そこは絶対こうだよ!」って。

――これがないとこの曲は違う!っていうフレーズですね。ビートルズの曲みたいな感じですね(笑)。

●(笑)。「これは絶対だよ!」ってね(笑)。

――先ほどもちょっと話に出ていましたが、1枚目の『chapter24』の時はグラムよりな曲が多く、2枚目『幻想とノスタルジア』はサイデリックな曲が多い印象でしたが、今作はキーボードが入って入るものの、これまでの2作と比べると、PSYCHO CANDIEのレコーディング特有の実験的アプローチというか、ここが際立って違う所をあまり感じず、どちらかというとライヴの感覚に近い印象だったんですけど。

●前作は際立って違う所があったってこと?

――そうですね。「幻想とノスタルジア」や「Makes Me Wonder」とか・・・。

● あー・・・。

――なので、今作の方がライヴに近い感覚でしたね。

●だけど、コーラスのオーバーダブなんかは今回も結構録ってるぜ?前作違ったかなぁ?そのままだった気もするけど・・・。

――たしかにコーラスなどは今回もそうですね。でも、前作では明らかに違うアレンジをしている曲が何曲かあるんですよ。1枚目なら「CRAZY☆STAR」とか。

●あぁ・・・。なるほどね。あのね、ライヴである程度のプリプロはやりつくしている曲だから、明確な答えみたいなのは俺の中にある訳よ。そこにいかに・・・実験っていうのじゃないなぁ…遊びの要素を入れるか。きれいな曲をきれいなままで歌うと俺の中でバランスがあって、行儀が良すぎて居心地が悪いケース、例えば「Moonlight Drive」みたいに多重のコーラスとかをのせると、ブライアン・ウィルソン(※ザ・ビーチボーイズのオリジナル・メンバーでありリーダー)じゃないけど、綺麗にまとまっちゃうケースが往々にしてあるのね。そうなると曲間とかに俺は、雑多なフェイクとかを入れまくりたくなるの(笑)。「イエーイ!」とか(笑)。そういう自分の中にバランスの軸がある訳よ。「Moonlight Drive」なんて“月光のドライヴツアー”の時にシングルを来場者にプレゼントしているけど、あの時と大幅なコード進行は一つも変わってはいないんだよね。でも、アプローチや見えてくる景色自体があの頃は狭かったものが、今は広く見えるようになってきているからさ。時間も技術も上がっているのもあるけど、入り口がこうだから出口はこうしよう。ただのロックファンでもある俺がリスナーだったら聞きたい事、「ここをひねっちゃお♪」みたいなのは、今作したけどな。でも『TIME TRIP ADVENTURE』がライヴに近いという、その意見もなんかわかるね。たださ、今回、多重録音ダビングをしたことで、ライヴでどうしようかって考えてんだよね(笑)。

―― 一人なん役やるんだ?みたいな?(笑)。

●アコギ弾きながらエレキギターを一人では弾けないしな(笑)。

――(笑)。視野が広がったというのは、再始動までの間に、廣嶋やCheaSS含めいろいろなバンドをやってきた事で変化してきたっていう事なんですね?

●そうだね。うん。自分はロックンロール畑で育った訳だけど「パンプキン」を書いた26歳〜27歳くらいの頃はいかに、自分のルーツだけど出していなかった部分をPSYCHO CANDIEというバンドで出すか、いわゆるローリングストーンズやエアロスミス臭とかのR&Bの“B”の部分をなるべくなくしたサウンドやコード進行にトライしていた時期で、そこにグラムっぽい要素のT.REXやWizzardであるとか「パンプキン」で言うならロイ・ウッド(※The Move、ELO、Wizzardのメンバーでソロでも活躍)の影響が強いんだけど、そういうものが十何年経って輝きだす瞬間があって、それが今回なのかもしれないね。

――ジャケットのコンセプトとタイトルについて聞かせてください。

●タイトルに関してはね、俺は“TRIP”という単語も、“TRIP”することもすごく好きなんだけど。

――え〜ぇ!!(含み笑)。

●いやいや、ヤバイ意味じゃないよ(笑)。“TRIP”って精神宇宙への旅みたいな意味もありつつ、ただ単に旅行という意味もありつつ、まぁドラッグでブッとぶという意味もあるけどね。タイトルは製作と並行して考えていて、「NEW ADVENTURE」って曲があるから“ADVENTURE/探検”って単語は使おうかな?とは思っていて。製作をしていて、昔の楽曲も新しい楽曲もひっくるめてのアルバムですよと。時間や時空とかを一つ消化した上でのパッケージラインになったような気がしたのね。もう一つは、トータル的に自分の楽曲や詞を対峙した時に、俺は理科とか好きじゃなかったのに宇宙はすごい好きなんだよね。という二つの理由で『TIME TRIP ADVENTURE』って名づけた訳。ジャケットに関してはいくつかアイディアあって。デザイナーの小柳さんと何度もディレクションしたんだ。最初は自分たちがタイムマシンみたいな物に乗り込んで、宇宙へ飛び立つみたいな所を俺が描いた走り書きがあって、それをデザインしてくれって話だったんだけど、それよりPSYCHO CANDIEという自分たちのスペースシップに乗り込んで、宇宙を見ている形にしようという事で、今回このスペースシップの窓から見える景色になったのね。

――この右側に見える惑星は地球なのか?月なのか?どっちでしょう?

●うーんどっちかな?地球…かな?(笑)。パッケージだとCD盤面は月で、盤裏のトレーの下はインターステラサインって、宇宙へのメッセージって言うのも使っていたり、いろいろな惑星が使われているんだよね。

――この真ん中の光は?

●これは・・・俺たちが目差す星だろ?(笑)。

――ロゴの感じや色味が、キューブリック(※映画監督のスタンリー・キューブリック)っぽいなとも思いましたが??

●あぁ、なるほどね!!『2001年宇宙への旅』ね。あんまり意識はしていなかったけどね。ただ、自分のテーマであったのは2001年というよりは、ちょっと昭和の宇宙っぽい感じ(笑)。

――(爆笑)。昭和の人が考える宇宙?(笑)。

● ロケットな感じ?(笑)。




【魅惑のパンプキンパイ】

――この曲が一曲目は意外でした。でも、確かこの曲が初めてPSYCHO CANDIEで作った曲だって話でしたね?・・・??

●そうかな?うん確か、そうだったと思う。

――これは結成当初に、知る人ぞ知る“ブタのカセット”(※パッケージにブタの絵柄がついていた)で音源として出していますよね(笑)。

●そうだね。発表しているね。それ俺の手元にもないけど(笑)。今回レコーディングをした作品を並べた時に、やっぱり「魅惑のパンプキンパイ」という曲はPSYCHO CANDIEにおいてのアイコンであって、それを一曲目にする事に、今思えば意味があるんだと思うよ。俺はどういう風にアルバムを始めてどういう風に終わるのかって言うことにすごく悩んで・・・。

――今の時代、ipodとかでシャッフルするのが普通とはいえですよね?

●うん。そんなのは嫌だ!

――そうですよね!

●だから、シングルカットできるような曲を一曲目にするのもいいのかもしれないし、新しい側面を見せる曲を一曲目にするのもいいんだけど、まずはここからっていう事で一曲目に「魅惑のパンプキンパイ」を置いた時に並びが決まったのかな?スタートラインはすごく大事でここから始まる感じね。それと、「パンプキン」みたいな曲が一曲目にある事でロックのパロディ性みたいな所で、すごく意味があるよね。

――Cheap TrickやGary Glitter的なハードポップグラムな雰囲気がイントロからありますしね?

●(笑)。うん。そうなんだよね。これさ、ドラえもんのテーマソングにしたかったんだよね(笑)。

――(笑)。ドラえもん??

●映画版のね(笑)。

――あはは(笑)。ちょっと感動しちゃう系の、ジャイアンがいい奴な感じですか?(笑)。

●ふふふふふ(笑)。作った時のデモテープとか聞いてみると、曲の形がその時にもう明確なんだよね。でたらめ英語で歌ってる歌詞以外はあの時から、ほとんど変わらないんだよね。「♪ワッシュワリワリ」も入れていたしね。だから、作っている方としては全然ひねっている印象はない、そのまま生まれてきている感じなんだ。今回さ、曲を作った当時のデモテープを再現して、Aメロのキメの部分(歌始まりの直前の所)にマギーがULT-SOUNDっていうアナログのシンセドラムを入れてくれたんだよね。このマギーが持ってきた古い機材がいい味を出していて良くてさ、結構フユーチャーしてるんだよ。

――コーラスワークはどうですか?

●基本的にはヴォーカルのオーバーダブにはすべてに手を出していて、同じ主旋律を2回歌うのも当然なんだけど、ハモっているハモリが自分のメインの音を支えるという録り方にトライしているので結構、上にいったり下にいったりしているんだよね。曲を作った当時からこのコーラスワークもありきで出来ている。この辺は、レコーディングとライヴは違うものでもいいからという所でのアプローチだよね。

――ギターフレーズがキーボードっぽいのもまたPSYCHO CANDIEらしく、ポップな感じできていたのに突然、間奏ではハードな感じになったり。

●うん。そうだね。それがバランスなんじゃないかな?ロックバンドだからね、ポップなものをガツッとロックにするというかね。歌詞はキーワード重視のおとぎ話というかポップな感じね。

【Do You Remember?】

――再始動後の初の新曲でしたね。

●基本的には大助が書いていて、これはもうビート感・スピード感を強調したナンバーだね。スピード感のある楽曲が欲しかったっていうのもあるんだけど、楽曲の持つ疾走感、それはただ単純にテンポが速い=スピード感があるのではなくて、楽曲の持つポテンシャルなのね。そういう部分でいうと、テンポ感とかはそんなに速くないのに、なんかすごく疾走感がある感じの曲なんだよね。気持ちが前にいく感じね。楽曲的にはすごくシンプルだけど、わかりやすいアプローチの一つかな?イントロにシーケンサー・キーボードを入れようって、今回レコーディングの途中で思いついたんだけど、あの感じも70年代後半から80年代にかけてのSWEETとかCheap TrickとかELOとかじゃないけどそういうものをエンジニアの人にも聞いてもらったんだよね。Cheap Trickだとサレンダーみたいじゃない?(笑)。

――わかります(笑)。間奏もまさに!

●そうそう。間奏はまさにPSYCHO CANDIE だよね(笑)。The Moveみたいなね?(笑)。これをやらないと、バランスが取れないんだよ(笑)。

――(笑)。

●後半のベースのラインも津谷じゃないと出来ない、12stベースならではの感じだよな。

――歌詞は2001年以降の廣嶋で見ていたVISCOさんの書く雰囲気と、もともと持っているPSYCHO CANDIE のNAOさんの書く歌詞とがミックスされたように感じたんで、今書くPSYCHO CANDIEの歌詞なのだなと思ったんですけれど、どうですか?

●あ〜そう?そうなのかな?もちろん今書いているから、確かに今ではあるよね。まぁ、自分ではジャッジしかねるけどさ。あんまりレイドバック(※音楽用語ではのんびりした、ゆったりしたという意味。または正確なリズムに対してほんの少し遅れた部分がある感じのこと。ここでは、昔的な、懐古趣味という意味で使っている)した事をやる気はさらさらなくて、ただ“すごく”新しい事にもトライする気も全くなくて、言葉のディレクションってとても難しいんだけど、過去の作品でも「何で俺こんな事歌っているんだろう?」っていうものもたっぷりあるし、だけど今の自分にしかできない事もあるし、使いたい 言葉も、もちろんあるんだよね。だから再始動って言ったらなんだけど大助が入ってからのPSYCHO CANDIEに合う、うってつけの世界なのかなぁ?っていうね。

【PLANET QUEEN】

――これも、グラム色の強い初期の名曲!

●これは結成当初、津谷と一緒にデモテープを作っている段階で、俺らの子供の頃ってウルトラマンとか、いろんなヒーローがいたの。その「ヒーローの架空のテーマソングをつくろーぜ♪」みたいな。そういう想いで書いたんだよね。

――(笑)。

●あとは、オレたちの好きなSPARKSの要素であったりとかがあるね。俺としてはT.REX、マーク・ボランみたいな言葉のチョイスだけで遊べる感じをやったラブソングなんだけど。ただ、やっぱりテーマとしては“SPARKS meets ヒーロー”…なんだよね(笑)。“ヒーローmeets SPARKS”か?!(笑)。

――“SPARKS meets ヒーロー”!?(笑)。

●アレンジとかアプローチ自体はきっとSPARKSの要素が強いんだけれど、楽曲自体は、「ぷぷぷっ」って笑っちゃうようなヒーロー(笑)。なんていうのかなぁ?すごく強くはないヒーロー?アンパンマンとかスーパーマンじゃないけどさ、そういう「架空のヒーローもののテーマみたいなものを作りたいね。」って言って作ったの。

――(爆笑)。これがヒーローだったら、結構チャーミングなヒーローですよね?(笑)。

●うんうん。チャーミングだよね?なんか、すっごい戦いには勝っているけど、パンツ破れてるみたいな、チャック開いてるとか(笑)。

――(一同爆笑)。でもモテモテな感じ?

●(笑)。楽曲、歌詞でそういうのをちりばめたら、言葉の持つ中毒性・ドラック性みたいなものも含めつつね。

――歌詞はいつもどうやって書くんですか?曲によって違うものですか?

●この当時は、お風呂とかで書いていたかな?ネタ帳があってフレーズを書き溜めるのもあるけど、この曲は一気に書き上げて、ハナモゲ英語で歌ったものに、近い音で聞こえてきた言葉を当てはめた気がするな。あとは“Fame”“CREAM”“フレーム”“Slave”とか韻を踏んだ単語は楽曲のもっているメロディーから引っ張ってきた言葉たちだよね。

――ドラムは、マギーさんのあの独特の間合いじゃないと成り立たないんじゃないかっていう感じで、あの間は素晴らしいですよね!他のドラマーとやったらきっと全然違う曲になりそうですよね。

●あ〜♪なるほど、四分音符のちょっと長めの感じねぇ。ふふふ。そうだよね。あ!!これね直前のアイディアで「PLANET QUEEN」だから、QUEENのブライアン・メイみたいなギターソロにしようっていうのがあって、大助がそれにトライして、面白い事をやってくれたんだよね。だから、ステレオで聴くとサウンドがブライアン・メイみたいに左右に掛け合いなっているの。そこが俺がよくいうロックのパロディ性だったりするの。

――なるほど!QUEENだったんですね〜。そういう気づきが曲を聴いていてあるのは嬉しいですね。

【覚醒】

――これは、PSYCHO CANDIE第一期の終盤位にできた曲でしたね?廣嶋の初期にも何度か演奏していて・・・。

●そうそう。「覚醒」はそもそもMAXIとしてリリースしようと思っていた曲で、その頃やりたかったのは、音の洪水が“ガァー”ってきて“サッ”って引いた時、で、また“ガァッ”ってくるという、音の揺らぎというかをやりたくて、その中で書いていったんだよね。妖しい所から急にぱって光が射す感じとかさ。

――ダークサイドを映した曲ではあるけれど、迷いと不安の中にもちょっとポジティヴ感もあったりする、入り組んだ感情がPSYCHO CANDIEらしい印象ですよね。

●うんうん。そうだね。あの頃暗黒世界に、俺がいたからじゃない?(含み笑)。これ実は、もともとがドロップチューニング(※ある弦を指定の音に合わせて下げるチューニングのこと。)で作っていて、たぶんライヴ発表した時はもう少しヘヴィなんだよ。イントロの部分を強調したくて、半音下げていたんだ。ようはKISSと同じチューニングをした訳。そうすると必然的にEが下になるからへヴィに聞こえるんだけど今回は、歌メロとの兼ね合いをしっくりさせたくてノーマルに録音したんだよな。

――なるほど。この曲は最近意外と“カギ”となっている曲ではないですか?

●そうだねぇ。楽器隊の掛け合いであったり12stベースのグリスであったりそういうものを含めると楽器プレイヤーとしてがっちゃりいけるというか、妖しい感じというか、俺からすると「夢・遊・病」「ベラドンナ」から続く続編のイメージがもうちょっとあるんだけどさ。今回初めてレコーディングして、普通なら頭の部分を削ってみたりするんだけど、あえてマギーのハイハットの4カウントから始めてみたんだよね。

【ヘヴン】

●これは廣嶋ではやらないし、やれないアプローチだね。バラードってくくるのはちょっと嫌いだけど・・・必然性の中で生まれてきた楽曲だよね。この曲を書いたのは“幻想とノスタルジアのツアー”の頃で「覚醒」と同時期だよな? 今回ライヴにはないピアノが入っているんだけど、ギターで作っているとは言え、元々のイメージではピアノサウンドありきで鳴っていた楽曲なんだよ。

――NAOさんはピアノも弾くんですか?

●発表できるほどのものでもないけど、家で曲造ったりする時にたまにね。この曲のタイトルは、「ヘヴン/天国」という意味だけどさ、絶対的な絶望の淵にいても、パッと向こうに見えてきた小さな光が希望に変わる時ってあるじゃん?そういう意味合いであの時に「ヘヴン」は作ったんだ。すごくこの曲気に入っているんだよね。誰もが持っている辛い恋愛観の一つだったりするのかもしれないね。

――PSYCHO CANDIEの世界のこういったところに自分自身を投影されてる人も多かったり、ライヴでもそういったところで、どんどん引き込まれていく楽曲かもしれないですね。

●これを作った時って、確か俺がスタジオで弾き語りをしてそれに合わせて、ついてきてもらったんだよね。今も直助ではアコースティックでやったりするけどね。

――これもマギーさんのドラムの間がたまらなくカッコイイので、それがあるからよりこの世界に空気にズブズブと・・・。

●あ〜分かる分かる!!そうだね、フィル(※ドラムにおける装飾音符のこと・おかず)とかね。叩いていない所も鳴っているからね。これはもう空気感が命だよね。だからやっぱり、ライヴでも空気を支配することがすごく大事だよね。特に「ヘヴン」みたいな曲は余計ね。これさ、わざとリハーサルとかで他のバンドをねじ伏せる為にこの曲をやってるんだよね(笑)。

――(笑)。どうだこのヤローみたいな?(笑)。俺たちはこんなだぞ!みたいな?

●ううん、俺たちじゃなく“俺が!”ね(笑)ふふふ・・・“俺がっ!”。

――(笑)。俺が!?(笑)。・・・いやーそれと、ダイさんの泣きのギターソロさすが!いいですねぇ。

●あ〜なるほど、うんうん。そうだよね。

【Shock Treatment】

――PLANET QUEENと同じく、初期のグラム要素の高いブギー曲ですね。歌詞も絵本みたいな世界?でおもしろい。

●絵本かぁぁ???ペニスとか出てくるんだぜ?

――(焦)。あぁぁ、いや、じゃ、大人の絵本???(笑)。

●(爆)。大人の絵本か!(笑)。ま、これはT.REXだよね。そもそもブギーリズムで、2コードで作っていた曲を津谷と一緒に広げていったんだよね。

―Spiral Twins(※NAOさんと津谷さんの2人で曲を書くときのペンネーム。由来は2人が当時スパイラルヘアーだった事と2人のイニシャルから)で、という事ですね(笑)。

●そうそう。なんかさ〜オケだけ聞くと“寺内貫太郎一家”(古きよき時代のカミナリ親父を中心とする家族や、彼らを取り巻く隣人たちとのふれあいを描いたホームコメディードラマ)のテーマソングちゃないけどさ(笑)。ベースラインとか(笑)。

――えぇぇ?寺内貫太郎!?(爆)。それ20代にはわからないですよ!

●これはもう、PSYCHO CANDIEど真ん中な感じじゃない?

――そうですね。当時存在していた数々の他のグラム系バンドとも違う、洋楽的要素の強いロックというか・・・。ま、寺内貫太郎なんですが・・・(笑)。これがPSYCHO CANDIEのやるグラムロックな曲はこういった感じですね。分かる人には“くくくっ”って笑える要素もありつつ、そこにオリジナリティもある。

●そうなんだよな、洋楽的な要素が強いんだよな。やっぱりロックがやりたいから、そういう部分でのアプローチっていうのは極めて洋楽的だったよね。Bメロ前のキメとかはマギーがJAPANっぽいフレーズとか使っていた気がするな。こういうミッドテンポの曲って難しいんだけど、マギーがすごく頑張ってくれてとっても楽しくレコーディングできたよ。これはコーラスワーク以外は、もうライヴそのままな感じだよね。

――歌い方は、やんちゃでいたずらな感じがしますよね。

●ふざけて歌いすぎだよね(笑)。ま、他の曲でもふざけた所はあるけど(笑)。でも、この曲では声色は意識したね。行儀よく歌うのではなくて、どういう風に自分がヘッドホンから聞こえてくるサウンドに入り込んでいくか。「しかめっ面で歌うのは、これは違うな」とか、「半笑いで歌うこれでいこう」とか、いろんなアプローチの中での一つの結果でね。・・・これさぁ、結構エッチな曲だよね(笑)。

――(笑)。意外とそういう曲ありますよね?かわいく歌っていますけど。エロイみたいな(笑)。

●そうなんだよねぇ〜。うん。

――ま、でもこれはまだそんなに直接的ではないかなぁ?

●まぁね、俺はほら、爽やかなド変態だからね。ふふっ。(にやり)。

――あははは。爽やかなド変態!(爆)。

●そう、爽やかなド変態!(笑)。さわやかな!ね、俺はね♪

【CRAWL】

――これは、新曲ですか?

●そう…だね。ライヴで演ったのって数回かな?2回とかかなぁ?1回かなぁ?俺は結構残酷に楽曲をボツにするからさ。「だめだ〜だめだ」って。当時歌詞も違っていて演った時に、どうしてもしっくりこない所が、やっぱりあったと思うのね。それは、もしかしたらアレンジメントに納得がいかないまま発表したのかもしれないし、良かれと思ってやった事なんだけど、ライヴでやってみたらしっくりこない、というのはそういった理由があったと思うんだ。ただ、楽曲自体はいい曲だと思ったしこれをどうにか世に出すためにテーマをちょっと入れ替えたりしつつ、今回のアルバムに収録する形にした訳なんだ。歌詞はもう7,8割くらい書き換えて、もう少し閉鎖的な二人称のラヴソングという感じをフューチャーしたくて、そういう歌詞にした。ただ、その頃から歌っているフレーズとかも使ってはいるんだけどね。楽曲のアレンジ自体も大助が入ってから綿密に進めて、いかに無駄な部分を省いて、なければいけない所を活かすかみたいな所で、尺を決めていったんだよね。これはコーラスもなかった曲だから俺が一人でオーバーダブでダビングして作ったんだよね。

――センチメンタルでちょっと寂しくて、前半のギターの刻んでいる音と歌メロの流れていく感じが印象に残る綺麗な曲ですね。

●うん。そうだよね。サビのストリングスアレンジは津谷とメロディーを考えて、うっすら「STAR MAN」(※David Bowieの曲)みたいなストリングスが入っているんだよね。この曲は録りの3日前か2日前かに歌詞を書き上げたばっかりなの。

――繋がり続けることの難しさ、もっと知りたいもっと知って欲しい、その感情が自分の中でドツボにはまっていく、ふとした瞬間がみえるんですよね。

●うん。そうだよね。人間は孤独だからね。・・・俺、屈折しているしね。うふふふ。今回ね、新曲としてこれを入れられたのは良かったし、こういう曲をライヴでどこに散りばめようかというのが楽しみなんだよね。

――この曲は、PSYCHO CANDIEのレパートリーには実はある雰囲気だけれども、このアルバムの中ではちょっと異色を放っている印象ですね。

●なるほどな。そうかもしれないね。すごく気に入っている曲だよ♪今回タイトルである『TIME TRIP ADVENTURE』の宇宙とかをこの「CRAWL」に直接的に散りばめたつもりはなかったんだけど、どこか浮遊する宇宙観みたいなのない? そういうのを感じるんだよね。

――そうですね。言葉の使い方で“ゆらゆら”“ずっと”“きっと”“もっと”というのもそういったイメージを掻き立てる要素かもしれないです。

【THUNDER VOLT BOOGIE】

――この曲が収録される事に驚きと歓喜の声が聞こえましたね。ライヴでもかなり「きゃぁ〜!」という歓声が上がる、ものすごくかっこいい曲で同じフレーズを繰り返してどんどんテンションが上がっていく感じにロックを感じますね。

●これは元々はワンコードで歌を作っていて津谷がサビはこういう感じにしようという事でやったんだ。T.REX meets Marilyn Mansonというかさ。Marilyn Manson の『MECHANICAL ANIMALS』の様なグラムっぽさのある、あ〜いった雰囲気でもあるよね。これは相当歌で遊ばせてもらったね(笑)。歌い方にしても声色にしてもね。冒頭とお尻のところに“ぴゅるるる〜る”って少し消えていく音があるんだけどわかるかな?「わーっ」って言った後に“うぃ〜んにゅ”って居なくなる音があるのね。それ俺の声なんだ。そういうエフェクティヴな事もしたり、いいさじ加減で遊べたかな?それもすべてバランスな訳だよね。「CRAWL」みたいなのもあって「THUNDER VOLT BOOGIE」みたいなので バランスをとりたくなるの。

――「CRAWL」の後に入っているのもいいですよね!

●うん!これは相当悪魔っぽいぜ?“放火魔”だし!

――(笑)。“おかま”って聞こえますけど(笑)。

●“おかま”って歌っているもん♪

――(爆)。

●表裏一体っていうのは大好きだからさ、その中にちょっとヤバい雰囲気やエッセンスみたいなのが振りかかっているものが、俺の琴線をすごく刺激するんだけど、そういう曲だよね。

――サーカスというか、ちょっと裏で怪しい事やっていそうな・・・サーカス? 見たいなイメージで・・・。

●見世物小屋だね!フリークスだ。

――そうですね。見世物小屋!

●イントロの俺の「YEAH!」からすべての魔法が始まるんだよね。黒い団長だからさ(笑)。

――確実に、黒い三角のしっぽ生えてますよね(笑)。

●(笑)。そうそう。そうだね。今回これを収録するのは思いつきだったけど、すごく気に入っているね。発表した時期は相当昔だけど、この所ぜんぜん演っていなかったし、新しくPSYCHO CANDIEを知った人には新鮮に感じるかもね。あの頃のイメージをもっとより現代の形で具現化することが今回出来たよ。後半の大助のギターソロとかも注目して欲しいよね。ドップラー効果になってるんだよ(笑)。

――(笑)。それでちょっと頭がおかしい感じがするんですね〜(笑)。

●(笑)。だからサイケデリックっていうのはそういうことなのかもよ?ロジャーウォーターズ(※Pink Floydのメンバー)が言っていたけどさ、音楽でTRIPする事をPSYCHO CANDIEでアプローチしたらこの曲みたいになったっていうね。

【Peach】

――ライヴではお馴染みの曲ですが、意外にも作品になるのは初なんですよね?

●そうだね。作品としては初だけどRYOが在籍時にデモテープとしてレコーディングした事があって、それをラジオとかで流した事はあるかな?「マスカレード」「ジョアンナ」と一緒にレコーディングしたんだけどね。それがあって、でもその頃とは若干ドラムのフレーズとかも変わっているってマギーは言っていたね。なので、正式には初かな?

――この曲も可愛く歌ってますけど、かなりエロイですねぇ(笑)。

●えへへへへ(笑)。そっか♪(笑)。ファンも踊っているけど意味わかってんのか!俺は清潔なド変態だぞ!!(笑)。さわやかなド変態だぞ!って (笑)。

――(一同爆笑)。

●まぁね、こんなもんじゃないけどねぇ(笑)。まぁみんな好きじゃん♪どうせ好きでしょ♪みたいな(笑)。もうこれは満を持して発表したような感じだよね。

――後半の“白雪姫の〜”“時計仕掛けの〜”はうまいなぁ!と・・・

●「Peach」だしね。りんごもオレンジも出しておかないと(笑)。果実ってエロイからさ!

――(笑)。このPeachは・・・おしり?ですか?女性器ともとれますけれど・・・。

●どっちもなんだけど、オレのイメージではヒップだよね。プリンス的(※奇抜で風変わり、そして唯一無二の才能を持つ天才。ミステリアスな独自の魅力を放ち続けファンクでソウルフル妖しい世界へと誘うアーティスト)な感じね(笑)。

――この曲は確か、「WILD LIFE」と近い時期に発表だったと思いますが、向こうはワイルドテイストこちらはちょっと可愛いテイストでどちらもエロス曲!(笑)。そういう気分だったんですね〜♪(笑)。

●なんか、悶々としていたんじゃないの?(笑)。・・・そうだよね、ほんとだね(笑)。ヤラせなきゃ怒るぞみたいな(笑)。そうだったのかも!ただね、やりたいシンコペーション(※ひとつの音がより劣位の拍からより優位の拍に鳴り続けることによって生じるリズムのこと。)のリズムワークは俺と津谷の中にあってそれで書いていった、まさにアイツとの競作だね。イントロの部分は、すっげー昔に津谷と2人で作ったものだしね。それを広げていったんだよね。

【夜間飛行】

――イントロの12stベースが印象的な曲ですね。キラキラとしたサウンドで12stベースの音とはこんなですよ。みたいな。

●そうだね。4弦ではだせないよね。これは、たしか日大芸術学部の学園祭の野外ステージでやったよね。

――あーそうでしたね。野外の空の下が印象に残っていますね。

●これも邦楽アーティストのやらないCheap Trickとかの洋楽的な感じだよね。津谷との競作で、元々のフレーズは津谷が持っていて、そこからメロとアプローチを変えていったんだよね。あえて、キラキラ度を増すために今回は12stアコースティックギターのダビングとかにもトライしてみて、ライヴではフライングVかストラトで、アコギでは弾いたことがなかったんだけど2本をカポを使って弾いてみたよ。

――12弦ベース&6弦ギター&12弦アコースティック×2本とすごい弦の数でキラキラ度アップ!

●そう、お星様がみえるようにさ♪

――みえますよ〜この曲には☆

●うふふふふ(笑)。これも作ってから発表するまでに時間がかかったけど、歌詞も今回若干変えたんだ。今回レコーディングは初めてだけど、ちょっとずつではあるけど、ライヴともプレイは変えていて、俺はみんなが録音した後に足りない部分をアコギで重ねたりしていたよ。必要だから入れるんだけど、まぁ、いらないなと思えば後で消すことも出来るしね。ただ、答えは一つしかなくて、いかにそこに近づけるかなんだよね。何が足りない?何を足そう?闇雲に足していったら楽曲がぼやけてしまうから、そういうところは注意しながら作っていくんだよね。

【WILD LIFE】

――これは何回目のレコーディングでしょう?(笑)。

●あははは(笑)。PSYCHO CANDIEで過去に1回、廣嶋で1回だよね。今回が3回目だね。廣嶋で演っていた時は、もっとパンク的なアプローチだけど、発想としてはPSYCHO CANDIEでは違っていてパンクっぽくはないんだよね。グラムからきたパンクエッセンスのある楽曲で、パーカッションが入っていたりとかね。

――今回タンバリンが入っていますよね?

●そうそう。ショーパブ出身の俺がね(笑)。

――え?ショーパブ(笑)。

●この曲も必要不可欠だったね。

――俺様節全開の曲で、NAOさんの表向きのイメージってこういう感じかな? と思いますね。

●おーそぉ?俺のパーソナルイメージは「ヘヴン」みたいな感じぢゃない?

――(笑)。

●このアルバムの中では一番アッパー系であてるようなイメージだよね。

――パンクという話がありましたけど、どちらかというとPSYCHO CANDIEでやる「WILD LIFE」はロックンロールなイメージに感じましたね。

●そうだね、ブルースハープも入っていたりね?コーラスは大助と津谷が2人でやっているんだけど・・・。

――そういえば、どの曲かで今回マギーさんがコーラスをやったという話もありましたが?

●そうだね、今回マギーもやっているけど・・・えーっとね。このアルバムには入っていないや(笑)。

――えぇ!?残念。

●「WILD LIFE」は13曲の楽曲を固める上でも重要な曲だったね。ギターからはいってドラム、ベースがきてハープが入るっていうかんじね。そうだ!元々はこの曲ね、実は、全然違う曲だったんだ。曲のブリッヂの部分がイントロでボービートの楽曲だったの。でもよりビートをハイにした感じなんだ。

――へぇ。そうなんですね。まぁでも、この曲はライヴでの演奏率も高いし代表曲という感じなので、入っていて当然という感じですね?

●そうだね、ま、でも廣嶋からのファンは廣嶋の曲だって思うのかな?

――あぁ、どうなんでしょうね?

●でも一応以前に廣嶋のHPでの俺のコメントでPSYCHO CANDIEの曲だって書いたけどな。俺からするとね、作者は俺で、バンドが違うとアプローチも違うぞみたいな。

――聞き比べてみると面白いかもよ!?っていうそういう楽しみ方もしてみてねって事ですね。

●そうだね。うん。

【Moonlight Drive】

――これは冒頭にも話が出ていましたが、レコーディングは2度目ですね。

●そうそうそう。実は言葉のチョイスはともあれ、PSYCHO CANDIE版の「I Saw Her Standing There」(※ビートルズの曲)みたいなのがやりたかったのね。 ロックンロールのA面なかんじっていうか。

――あぁぁ。なるほど。タイトルはDOORSですが、やりたかったのはBeatlesな感じと。

●うん。まぁでもタイトルも別にDOORSがやっているから持ってきた訳でもなくて、仮歌の段階でそういう風に歌っていたのをそのまま持ってきたんだよね。

――ライヴではDOORSの「Moonlight Drive」のフレーズを入れたりはしていましたけどね?

●そうだね、ライヴではアドリブでね。今回はレコーディングするにあたっては大まかなコード進行のチェンジもないし、俺のギターのAメロのフレーズを少し変えた位かな?それくらいでほとんど変化はないんだけど、コーラスワークを分厚くして冒頭に持ってきたりしたよ。

――歌詞はどんな気分で書いたものですか?

●これはね、“月光のドライヴツアー”っていうテーマがあった時に、おとぎ話の宇宙とか、昭和の宇宙とか俺たちが小さい頃に憧れた21世紀の宇宙という、PSYCHO CANDIEの持つ宇宙感みたいなものがすこしづつあって、それでツアーにいくにあたって新曲を書こうと思って書き下ろしたのが始まりだね。プレゼントシングルのC/Wだった「深海魚」とかもそうだしね。ま、PSYCHO CANDIEの世界らしい詞だよね。そうだ!今回のレコーディングで歌詞を少し変えて“壊せないじゃん?”とかにしてみた。

――・・・前は「壊せないさ」でしたよね?あれ?川崎出身アピールですか??(笑)。

●そそそそ(笑)。あのさ、ほんとそうなんだけど、関西の人とかって例えばウルフルズさんとかさ、関西弁で歌ったりするじゃん?あんまりないよね?普通にしゃべり言葉で、“だぜ”とか“じゃん”とか俺は使うから、川崎アピールで(笑)。今回のレコーディングで歌詞の細かい助動詞は意外と変えているんだよね。話戻るけど「Shock Treatment」も“君を壊して眠りたい“ぜ”♪”とか言ってるの(笑)。

――(笑)。ここは笑ってツッコミ入れていいものかどうかと、正直思っていました(笑)。

●いいのいいの!(笑)。ライヴではフェイクで歌っていたと思うんだけどね。ちょっと可愛く“ぜっ♪”とかね(笑)。そういった、微妙にライヴで変えてきていた部分を今回整理したんだよね。

――なるほど、では「Moonlight Drive」は川崎アピール曲だったということで(笑)。

●そうそうそう、ふふふふ(笑)。うん川崎“北部”ね!そこは強調してね(笑)。

【New Adventure】

――タム使いマギーさんのビートがすごく印象に残りますね。

●「CRAZY☆STAR」の続編じゃないんだけど、シャッフルと言うかADAM ANT的(※原始的なドラムとネイティブアメリカンの戦いの化粧でデュランデュランと並びニューロマンティックの旗手とも言われた)なタムが回りまくるかんじで、マギーも今回はドラムのオーバーダブにトライしていて、サビの部分では2人のマギーが叩いていたりするんだ。この曲は確実に今回収録しようと思ってセレクトしていて、それをどこに持っていって、どういうテーマで聞かせるのか、というのがすごく重要だったんだけど、『TIME TRIP ADVENTURE』の最後を締めくくるのはこの曲だろうという形で最後に入れたんだ。

――曲を発表した当時は、毎回披露する曲というよりはセカンドライン的に、たまに演奏するという感じでしたがギターがダイさんに代わっての再始動後は、結構代表曲的に毎回披露されていますよね?

●そうだね。きっちりと作り直したのもあるし、リズムワークがちょこっとづつ増えていく感じの坂道みたいな雰囲気をきっちりとアレンジしていたのもあるし、Bメロのギターは大助にHEART(※アンとナンシーのウィルソンの姉妹がグループの中心となり結成したシアトル出身のロック・バンド)の「バラクーダ」みたいに弾いてくれって言って弾いてもらったよ。

――この曲は聞いていて気分が高揚してきますね。

●うん。これも俺流のラヴソングで、この曲が13曲目にくる事ですべて『TIME TRIP ADVENTURE』が終焉するのではなくて、またここからスタートできる一周するような感じ?だから、ロケットの効果音とか入れてみた(笑)。そういうギミックはたっぷり入れているよ!だからさ、しっかり聞いてみて♪歌詞は、欲望と理性のボーダーラインとかさ、誰でも持っているでしょ?一本ピンて切れたら変身しちゃう感じというか、一歩を踏みだしたら何かが始まるぜというか、すごく前向きなメッセージソングでもあるんだけどね。でも書いた時期は、俺、超後ろ向きな時期だったんだけどね。

――だからこそ、だったのかもしれないですよね?そういう曲を必要としていた、自分に向けている部分もあるのかも?

●かもしれないねぇ。うん。そういう時期だったのかな?

――曲を書くってそういうものなんですかね?

●うん。どっちもあるよね。自分に向けて奮い立たせる部分もあるし、自分のダメな状況をそのまま詞に書く場合もあるし。どっちもあると思う。

――そういう所に聴き手は共感するんでしょうね。




●13曲かなりボリューム感あるよね?聴き応えあるでしょ?

――そうですね。いろいろな表情があるので、飽きずに聞ける印象ですね。

●俺は、ライヴ一本これで成立すると思うんだよね。そういう感じに作ってあるんだ。好み的に言うともう少し、「ベラドンナ」とかあーいったダークな曲が1曲2曲あるとライヴにはいいのかもしれないけどね。

――そうですね。では、そのライヴ、このアルバムをリリースしてツアーにでる訳ですけれど、今の気持ちと、ツアーは何が楽しみですか?

●うん。歴史あるバンドとか、結成して長いとか言われてやっている側も考えてみればそうなんだけど、俺が思うのは新しいものなのね。だから変な懐古趣味みたいなのはないんだけど、本当にまっさらな1stアルバムを作ったような気分だね。もちろん『Chapter24』も『幻想とノスタルジア』もあるんだけど、新しいバンドがステージに立つという意識の方が強いんだよね。何が楽しみかって、PSYCHO CANDIEの知らない場所で演奏できる事が楽しみだね。行った事のある場所でも、演った事のないハコもあるしね。この4人で旅をするのも楽しみだし、自分の作品を持ってそれを聞いてもらうために地方に行く、というのは何よりもありがたい喜びだよね。

――ツアーもワンマンも楽しみにしています。ありがとうございました。

2009.04.21 都内某所にて
Interview & edit:MAKI


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